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東京地方裁判所 昭和48年(行ク)88号 決定

申立人 申京煥

被申立人 広島入国管理事務所主任審査官

訴訟代理人 矢崎秀一 外三名

主文

相手方が申立入に対し昭和四八年九月一四日発付した退去強制令書のうち、送還部分は本案判決が確定するまでその執行を停止する。

申立費用は相手方の負担とする。

理由

一  本件申立ての趣旨および理由は別紙(一)、(二)記載のとおりであり、これに対する相手方の意見は別紙(三)記載のとおりである。

二  本件疎明によれば、申立人が本件退去強制令書の発付を受けたこと、右令書にもとづき国外送還の執行を受けるときは申立人において回復の困難な損害を被ること、これを避けるためには、右令書のうち、国外送還の部分について緊急の手段を講ずる必要があることが一応認められる。

三  相手方は、本件申立ては「本案について理由がないとみえるとき」に該当する旨主張するが、本件のように日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う出入国管理特別法六条一項六号にもとづき退去強制をする場合には、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定についての合意された議事録により、人道的見地からその者の家族構成その他の事情について考慮を払うこととされていること、本件疎明によれば、申立人が前記特別法六条一項六号に該当するもととなつた申立人の犯罪事実はいずれも申立人が年令わずか一八才の少年時のものであること、申立人の受刑中の態度は良好であつたこと、申立人の一家は古くから日本に居住し、申立人は本国語も話せないうえ、本国には身寄りがないこと等の事実が一応認められること等に徴すれば、本案について理由がないかどうかは、今後の本案審理をまつほかないから、相手方の主張は採用することができない。

四  以上の次第であるから、申立人の本件申立ては理由があるのでこれを認容することとし、申立費用は相手方の負担として、主文のとおり決定する。

(裁判官 高津環 上田豊三 横山匡輝)

別紙(一)

申請の趣旨

被申立人が申立人に対し昭和四八年九月二〇日発布した退去強制令書のうち送還部分は本案判決が確定するまでその執行を停止する。

申請の理由

申立人は被申立人の発布した退去強制令書により現在大村入国者収容所に収容されているものであるが、来る今月二八日出航の送還船に乗せられ送還される模様である。よつて行訴法二五条により回復困難な損害を避けるため緊急の必要があるので右退去強制処分のうち送還部分の執行停止を求めるものである。

別紙(二)

被申立人は、本件申立ては、回復困難な損害を避けるため緊急の必要がある場合に当らないと主張されるが、もし送還されるにおいては、本件訴訟の追行が事実上不可能になる(なお、退去強制者は一定期間入国を拒否される。出入国管理令五条一〇号)のみならず、本案訴訟そのものの追行を無意味ならしめるものであることは多言を要しないところであつて、かかる場合が回復困難な損害を避けるため緊急の必要がある場合に当たることはいうまでもないところである。

(以上)

別紙(三)

意見書

第一意見の趣旨

本件執行停止の申立を却下する。

申立費用は申立人の負担とする。

旨の決定を求める。

第二意見の理由

本件執行停止の申立は、行政事件訴訟法二五条二項及び三項に照らし、執行停止の要件を欠くものであるから却下されるべきである。

一 本件退去強制令書発付に至る経緯

1 申立人は昭和二三年一月一五日兵庫県宝塚市伊子志四丁目四-一五において韓国人父申基伯同母金弼連の間に出生し(疎乙第一、二号証)、昭和二七年四月二八日平和条約の発効に伴い本邦の国籍を離脱したものであるが、昭和三七年三月兵庫県宝塚市第一中学校を卒業後、兵庫県立有馬高等学校に進学し、昭和四〇年三月同校を卒業した。

その後、シヨベルカー運転手として兵庫県宝塚市の三和土木、次いで尼崎市の三星組で稼働し、昭和四一年一月頃からは兵庫県宝塚市の星山組で小型ダンプカーの運転手として稼働していたものである(疎乙第三号証)。

2 次いで申立人は昭和四三年五月一四日静岡地方裁判所において窃盗、住居侵入、強盗、同致傷罪により懲役八年の判決言渡を受け(疎乙第四号証)東京高等裁判所に控訴したが、控訴棄却となり同年一〇月一六日確定(疎乙第五号証)したので、松江刑務所及び岩国少年刑務所等に服役し、同四八年九月二〇日仮出獄により岩国少年刑務所を出所したものである。

なお、右刑の犯罪内容はいずれも三人又は四人で深夜自動車を盗み、それを利用して強盗を働いたもので、四回にわたる自動車窃取及び三回にわたる強盗を繰り返したものである(疎乙第四号証)。

3 広島入国管理事務所入国警備官は、昭和四四年八月三〇日松江刑務所長からの通報により、申立人が出入国管理令(以下「令」という。)二四条四号リに該当する容疑があることを知つたが(疎乙第六号証)、これより先申立人は、「日本国に居住する大民韓国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定(以下「法的地位協定」という。)の実施に伴う出入国管理特別法」(昭和四〇年一二月一七日法律第一四六号、以下「出入国管理特別法」という。)第一条に定める永住許可(以下「協定永住許可」という。)を申請しており、右申請に基づき昭和四四年一〇月二日付で協定永住許可を与えられるに至つたため(協定永住許可は一定の資格要件をそなえた者に対して必ず与えなければならず、退去強制事由がある場合であつても許可を拒絶することはできないこととなつている。法的地位協定一条及び出入国管理特別法一条参照。)広島入国管理事務所入国警備官は、申立人が出入国管理特別法六条一項六号に該当する容疑があるものとして違反調査を行い(疎乙第三号証)、同四八年六月二七日同所入国審査官に事件を引継いだ同所入国審査官は、同年七月二日申立人の移送先である岩国少年刑務所において審査を行い(疎乙第七号証)、申立人が出入国管理特別法六条一項六号に該当すると認定しその旨通知したところ(疎乙第八、九号証)、申立人は即日口頭審理を請求した。広島入国管理事務所特別審査官は、昭和四八年七月一八日同刑務所において口頭審理を行い(疎乙第一〇号証)、同日入国審査官の認定に誤りがない旨判定し通知したところ(疎乙第一一、一二号証)、申立人は判定に対し異議があるとして法務大臣に対して異議の申出をした(疎乙第一三号証)。法務大臣は、昭和四八年九月六日申立人の前記異議の申出に対し「異議の申出は理由がない」旨の裁決をなし、その裁決の通知を受けた被申立人である主任審査官は岩国少年刑務所長に右裁決の告知を依頼し、同所長より右告知をした旨の回答を得て(疎乙第一四号証)、同年九月一四日本件退去強制令書を発付した(疎乙第一五号証・なお、申請の趣旨に九月二〇日とあるのは誤りである。)。

広島入国管理事務所入国警備官は、申立人が昭和四八年九月二〇日、仮出獄したので同日同令書を執行、長崎県大村入国者収容所に移収して現在申立人は大村収容所に収容されているものである。

二 本件申立はその本案について理由がないとみえるときにあたり、すみやかに却下されるべきものである。

本件裁決及び退去強制令書発付処分には裁量の範囲を逸脱した違法はない。

1 令によれば、退去強制事由に該当した外国人に対する退去強制手続は次に述べるとおりであつて、退去強制令書を発付した主任審査官の処分には何ら違法はない。

すなわち、令二四条は「左の各号の一に該当する外国人については、第五章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。」と退去強制処分を行う行政庁の権能を定め、まず入国警備官は、同条に該当する疑いのある外国人(以下「容疑者」という。)があれば、調査したうえ当該容疑者を収容してこ

れを入国審査官に引渡さなければならず(令二七条、三九条、四四条)、入国審査官は容疑者が同条に該当するか否かをすみやかに審査して認定することを要し(令四五条一項、四七条一項、二項)、また当該容疑者が右認定に服さず口頭審理を請求したときには、特別審理官は口頭審理を行い、認定に誤りがないかどうかを判定しなければならず(令四八条三項、六項、七項)、更に容疑者が右判定に対し異議の申出をした場合には、法務大臣はその異議申出に理由があるかどうかを裁決するものとされている(令四九条三項)。

そして右に述べた入国審査官の認定、特別審理官の判定及び法務大臣の裁決は、いずれも容疑者が令二四条各号の一に該当するか否かについてのみ判断することとされているので、事案の軽重その他容疑者の個人的事情等について裁量を行う余地はなく、しかも主任審査官は右の認定、判定、裁決が確定したときには退去強制令書を発付しなければならず(令四七条四項、四八条八項、四九条五項)、これら手続においては同令書を発付するか否かについて裁量の余地がないのである。

したがつて、申立人の場合懲役八年に処せられ出入国管理特別法六条一項六号に該当するものであることは明白であるから、本件退去強制令書発付処分は適法であり、何ら違法を言う余地はないものと言わねばならない。

2 申立人は、法務大臣が申立人の異議申出の裁決に当たつて、申立人に対し令五〇条を適用して特別に在留を許可しなかつたことが違法である旨主張するが、右在留特別許可を与えなかつたことにつき裁量権の逸脱、乱用はない。

(1)  外国人の出入国及び滞在の許否は、元来、国家が自由に決定しうることがらであり、特別の条約等が存しない限り国家は外国人の入国又は在留を許可する義務を負うものではないというのが国際慣習法上認められた原則であつて、令もかかる国際慣習法上の原則のもとに定められており、令五〇条に基づく在留特別許可の許否は判例上法務大臣の自由裁量に属するものとされているところである(東京高裁昭和三二年一〇月三一日判決(柯凌麦他一名事件)行裁例集八巻一〇号一九〇三頁、最高裁昭和三四年一一月一〇日判決(許宗申他一名事件)及び同判決の原審理由参照。民集一三巻一二号一四九三頁以下)。

しかも右の許何の許可にあたつての裁量の範囲は単に異議申出人の個人的事情のみならず、送還事情等国際関係、内政外交政策等を含むあらゆる事情が考慮されるきわめて広汎な範囲に及ぶものであつて、主務大臣たる法務大臣がその責任において裁量した結果については、行政上及び司法上十分尊重されてしかるべきものである(前記柯凌麦他一名事件判決参照)。

(2)  申立人の主張する法的地位協定についての合意された議事録中第三条に関する第二項には協定永住許可を受けている者の退去強制に当たつては「人道的見地からその者の家族構成その他の事情について考慮を払う。」との合意事項があるが、その趣旨は、令五〇条による在留特別許可の許否の裁量に当たつて考慮すべき事情(令五〇条一項三号)の一端を具体的に示したものであつて、それら個人的事情はすでに従前から許否の裁量にあたり考慮されていた事項であるから、特に新らたな要素が加えられたというものではなく、単に当然の事理を定めたものにすぎず、いわんや、それら個人的事情とともに併せて他の主観的客観的要素を裁量の範囲に加えることを禁ずる趣旨ではあり得ないのである。

むしろ同議事録の第三条に関する第3項は、「大韓民国政府は同条の規定により日本国からの退去を強制されることとなつた者について、日本国政府の要請に従い、その者の引取りについて協力する。」と定め、韓国政府は日本政府が退去強制相当とした者の送還に協力するとし、協定永住許可された者の退去強制について日本政府の判断を尊重すべきことを定めているのである。

(3)  申立人は前述したとおりすでに二五才に達した独身男子で何ら親族の援助を必要とするものではなく、また訴状によればすでにガス溶接工及び自動車整備士の免許を得たというのであるから、帰国しても差し当たり生活上多少の不便はあつても、生活困難におち入ることは考えられない。

また、申立人の父母については現に同居中の娘申点粉がいて、申立人の長期にわたる在監中にも特段の支障なく生活しており、その他にも父母の現住所である兵庫県宝塚市及びその周辺に四人の娘が居るのであるから(疎乙第三号証)、申立人が送還されたからといつて父母を扶養する者がなくなり、ために父母が人道上ゆゆしき状態に立ち至るというものでもない。

また、申立人とその家族との訪問については、申立人が送還後も本邦の家族全員は協定永住許可されているのであるから、再入国許可を受けて本国を訪問すれば申立人と容易に会うことは可能であり、現に妹申点粉は、昭和四四年七月二六日及び同四七年一月四日再入国許可を受けて本国訪問をしているのである。

また法的地位協定締結に当たつての交渉において、日本側代表は協定永住許可されている者の再入国許可申請については好意的配慮をするよう発言し、現にそのとおり行われているのであるから、在日する申立人の親族の本国訪問には、特段の困難があるわけではない。

更に交通機関の発達により空路であれば僅か二時間余りで、また海路関釜フエリーによつても半日足らずで訪韓できるのであるから、場合によつては日本国内の遠隔地よりも容易に訪問することができ、今日の日韓関係においては、かつて日韓条約締結以前の交流困難であつた頃とは全く事情を異にするのである。かように申立人の個人的家族関係を考慮しても、申立人に対し在留特別許可をしなかつたことに裁量の範囲を逸脱した違法はなく、申立人の主張は理由がないものである。

(4)  申立人のごとく協定永住許可されている者に対する退去強制事由は、一般の外国人の場合に比較して著しく緩和されている。

いわゆる刑罰法令違反の場合について例をあげれば、一般外国人の場合、一年を超える懲役または禁錮に処せられた場合(但し執行猶予となつた場合を除く)退去強制されるが(令二四条四号リ)、協定永住許可されている者の場合には、七年を超える懲役又は禁錮に処せられたときはじめて退去強制されるのであつて、法的地位協定に基づき特に悪質な者のみを退去強制すべきことを定めたものである。

実際、外国人で七年を超える刑に処せられる者の数は非常に少なく、換言すれば協定永住許可されている者で退去強制事由に該当するものはまれに見る悪質事案とすら言うことができよう。

申立人の場合もその犯罪内容及びその加功の態様から言つて、単なる誤ちとか出来心等ではないのであつて、控訴審判決も次のようにその日本社会に与えた影響の重大さを述べている程である(疎乙第五号証)。「被告人の本件犯行は前後七回に及び、犯行の場所は西は神戸市から東は熱海市、北は長野県下まで広範囲に亘る大胆な犯行であり、その態様をみるに、被告人は、共犯者申基本、趙福済らと徒党を組んで、まず路上から他人の乗用車を窃取したうえ、一同がこれに乗組んで強盗に入る家を物色して廻り、一旦押入る先を定めるや、覆面をして手袋をはめ、手に手に包丁を携え、深夜電報配達人を装つて、家人に玄関の戸を開けさせたり、あるいは施錠のしていない木戸から被害者方家屋に乱入し、虚をつかれ恐れおののいている家人に、右包丁を突きつけて脅迫し、婦女子、老人や身動きも不自由な病人に至るまで家人を縛り上げてその反抗を完全に抑圧したのち、家探しなどをして金品を強取し、電話線を切断したうえで同所を立去るという、集団による典型的持兇器強盗を繰返して敢行し、特に前記杉田正雄方においては、同人をして受傷せしめるに至つたものであるから、被告人らの本件犯行に対する社会的非難は大きく、その罪責は極めて重い。」「被告人は共犯者らとそれぞれ手に兇器を携えて被害者の居宅に押入り相協力して強盗を敢行したことは、前段説示のとおりであるから、右各強盗の犯行の態様に照しても、被告人を共犯者と区別して、これに随従した者にすぎないとなすべき限りでなく、そのうえ、被告人は過去において窃盗等の非行により数回にわたり家庭裁判所で取調べを受けたのに(疎乙第一六号証参照)、更に本件犯行を敢行したものであるから、原判決の科刑は止むを得ないものであつて、原審の相被告人らに対する科刑と比較してみても権衡を失しているとは認められず、被告人の境遇など所論指摘の被告人に有利な事情を十分斟酌しても、これを軽きに変更すべき余地は存しない。」

(5)  また、申立人が贖罪のため刑に服したとか、あるいは申立人に改悛の情が顕著であるとか、行刑成績が良好であることをもつて裁量の範囲を逸脱した違法があると主張する点についても、もとより罪の償いとして刑に服することは当然であり、またその結果生じた改悛の情あるいは行刑成績等は、申立人の功績というよりも、むしろ日本社会が設けた刑事、矯正手続が奏効したものと言うべきであつて、結局かかる悪質な犯罪により日本社会に多大の損失と不安を与えた外国人に対し、法務大臣が在留特別許可を与えなかつたのは、むしろ当然と言うべきであるから、何らその裁量に違法を言う余地はないのである。

三 本件申立は、回復困難な損害を避けるため緊急の必要がある場合にあたらず、却下されるべきものである。

1 本件執行停止申立書には、申立人に対する送還によりいかなる損害が生ずるのか及びこれを避けるためいかなる緊急の必要性があるのかが全く記載されておらず、単に必要があるので送還停止を求めるとしか記載されていない。かかる申立の具体的理由が記載されず、また、その具体的理由が追加されていない本件申立は、執行停止のための要件を具備しないもので却下されるべきものである。

2 本案訴状の記載するところは、結局、申立人が出入国管理特別法六条一項六号に該当する退去強制されるべき外国人であることは認めながら、令五〇条に定める在留特別許可が与えられなかつたことをもつて、その許否の裁量に裁量の範囲を逸脱した違法があると主張するのみで、何ら本件執行停止申立の緊急の必要性を示す記載はない。かりに、送還の結果父母と離別することとなることが不当であるとする部分がそれにあるとしても、在日の親族との離別は送還にともなう一般的な不利益にすぎず、特に処分により生ずる回復困難な損害を避けるため緊急の必要がある場合にあたらないものである。

またかりに、本案訴訟の維持が不可能となることを回復困難な損害とするものとしも、本案訴訟については代理人が選任されているから、申立人が出頭しなくとも右代理人により訴訟は追行可能であつて、訴訟の係属中であることが何ら執行停止申立の理由になるものではない。

3 本案訴状に添付の書証によつても本申立の必要性は認められない。

すなわち、甲第一号証から同三号証はいずれも手続経過を示すものにすぎず、同第四号証及び同第五号証はそれぞれ申立人の父及び母の診断書であるが、これが僅かに申立の具体的必要性をうかがわせるものにすぎない。

しかし、かりに病気がちの老人である父母の看護扶養の必要をもつて申立の理由としても、申立人は昭和四一年九月頃就職の目的で上京のため父母のもとを離れて(疎乙第三号証)以後、犯行、逮捕、服役、収容等のため、実質上父母の看護、扶養には当たつておらず今にわかにそれを執行停止の理由とすることは失当である。また父母には同居している娘(申立人の妹)がおり、またその居住地の近辺には娘(申立人の姉)が四名もおり、父母の世話をすることは不可能ではないから、申立人が送還されても父母の看護、扶養に支障が生ずることは認められず、特に回復困難な損害が生ずることはなく、申立は理由がない。

以上のとおり本件申立はいずれの点からみてもその理由がないので、すみやかに却下されるべきものである。

疎明資料目録

一 疎乙第一号証 調査関係事項照会について(回答)

一  〃 二号証 受理証明書(昭和四八、六、一九付)

一  〃 三号証 供述調書(昭和四八、六、二一作成)

一  〃 四号証 判決謄本(昭和四三、五、一四宣告)

一  〃 五号証 判決謄本(昭和四三、一〇、八宣告)

一  〃 六号証 退去強制容疑外国人の収容について

一  〃 七号証 審査調書(昭和四八、七、二作成)

一  〃 八号証 認定書(昭和四八、七、二作成)

一  〃 九号証 認定通知書(昭和四八、七、二作成)

一  〃一〇号証 口頭審理調書(昭和四八、七、一八作成)

一  〃一一号証 判定書(昭和四八、七、一八作成)

一  〃一二号証 判定謄本受領書(昭和四八、七、一八作成)

一  〃一三号証 異議申出書(昭和四八、七、一八作成)

一  〃一四号証 裁決通知請書

一  〃一五号証 外国人退去強制令書写

一  〃一六号証 決定写(昭和四二年少第五〇七号)

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